WEBビジネス・ホームページ運営がうまくいかない傾向パターンとして今までいくつかの幸運にもWEBサイトのローンチに携わってきましたが、そこで上手くいくパターンと上手くいかないパターンの傾向が見えてきたような気がします。
いくつかを簡単にまとめたのでお役に立てていただければと思います。
1.WEBサイト企画時点ですでに乗り遅れている
例えば上司や会社の経営者が思いつきで日経ビジネスやカンブリアン宮殿に影響されてうちも同じ事をしたいとか、すでにテレビや雑誌なりに紹介されている時点でネットの世界では一般化、陳腐化されているパターンが多いです。
すでに先行者もいるということなので先行者利益を打ち負かすにはかなりの知名度と投資が必要になります。
2.WEBサイトの企画の趣旨がずれている・そもそもニーズがない
WEBサイト企画時点のフォーカスがずれていたり、社内事情でWEBサイトを作らなくてはいけないパターンが多いのがこれに該当をします。
よくあるのはライバルの会社がしているのでうちもしなきゃ!やとにかく集客ありきでおおざっぱなテーマでサイトを企画をしてしまう場合です。
例えば温泉のポータルサイトの場合、日本の温泉情報ポータルサイト等にしてしまい、コンテンツのフォーカスずれて、かつそろわず、結局なんだかわからない、平凡なサイトになってしまった等。
仮に上記を箱根の温泉情報ポータルサイトや源泉掛け流しの温泉情報ポータルサイトとした場合、一見、集客面で不安が見えますが、フォーカスも絞られて、コンテンツも凝縮され、ライバルのサイトも減り、固定ユーザーがつくパターンが多いように見られます。
もちろんただフォーカスを絞るのではなく、そこにニーズがあるか見抜く企画力が問われるかと思います。
実際有名サイトのカカクコムや@コスメ等最初から今のようなカテゴリー数はなく、徐々に増えていったかと思います。
またネット特性のあるテーマか商材も気になるところです。
ネット特性のあるテーマか商材は口コミしやすい等あるかと思いますが、そうしたものなのか、はたしてネットでサービス展開すべき物なのか再考するのも重要です。
3.WEBサイトの企画から公開までに時間がかかりすぎる
これは中小企業で人手が足りないと言うより、大企業に多いような気がします。
企画は立てたが社内折衝や運営ガイドラインやシステム構築の稟議等で公開した時点では他社が先にオープンしていてすでに遅しというパターンです。
また一般的に名の知られた企業の場合、バグが許されないとかで検証に時間がかかってしまいそれに時間をとられてしまう場合もあります。
4.WEBサイトの運営者の熱意がない
いきなり、上司から担当をしてほしいと言われて担当になったとか、急な異動で担当になったとかのパターンが多いです。
ネットの世界の場合、個人でもその道に詳しい人がWEBサイト運営をしていたりすることがよくあることなので、そういうサイトと比較してもその時点で負けているパターンが多いです。
このパターンで危険なのは揚げ足をとられてしまい、ブログとかで炎上する危険な要素があるからです。
SNS担当でコミュニケーションが苦手な人が担当な人ほど悲惨なことはないです。
少なくともWEBサイト運営者はその道に詳しくて、ネットリテラシーをわきまえている人が望ましいと思います。
またWEBサイト運営には24時間365日WEBサイト運営していくので高いモチベーションが必要です。
その面でもそのコンテンツに関しては誰よりも熱意があり、ポジティブ思考で好きで詳しい人が望ましいと思います。
5.システム等過大な費用を投資してしまい回収できずに閉鎖する
これは中小企業で多いパターンになるかと思います。WEBサイトのトラフィックが読めずに初期投資にかなりかけてしまい、回収できずにWEBサイト運営半ばで閉鎖することがあります。
またサーバーを増強したがいいが、ネットワークのインフラ部分が弱く上手く機能していないなど、どのシステムに投資すべきかを把握していない企業が多いです。
特に大企業の場合ですが、SIの意見がそのまま通ってしまい、WEBサーバーでは必要以上のないスペックで運用しているパターンもあります。
最近はクラウドやハードウエア価格も下がっているのでまずは最小限でWEBサイトを始めていき、盛り上がってきたときに設備を増強等していくのがいいでしょう。
また全部自前で構築するのではなく、既存のサービス(オープンソース等)を流用して運営するのもありだと思います。
6.一通りのPR・サービスを活用しているがどれも中途半端なため効果が出ていない
プレスリリースを出したり、SEOをしたり、SEMをしたり、WEBサイトも一通りコンテンツを用意しているが、いまいち集客・成約に結びつかない場合があります。
こうしたサイトの場合はユニークユーザーが少なかったり・直帰率・離脱率が高いことが多いです。
一つはどのサービスもかみ合っていないのが原因とSEOやSEMも場合、購買につながるキーワードの選定ミスやプレスリリースの場合は対象サイトのURLをきちんと掲載していないやURL先の導線を確保していない等、意外にも細かい部分の見落としてがあることが多いです。
また利用しているサービスの基本設定がキチンとされていない(プロフィール欄が空欄とか)とかも多いです。
WEBで提供されているサービスは基本フラットなので、きちんと設定されていない時点でかなりライバルに差がついていると言えるでしょう。
きちんと設定をして、さらに工夫をこなしているいるレベルでないと効果が出ません。
また自社サイトでも例えばよくあるご質問のページもただ質問を載せるだけなく、上位5位のよくある質問を掲載したりとメリハリを付けることによって、直帰率・離脱率の改善につながることが多いです。
7.技術力・デザイン力・運営力がない
この場合はWEBコンテンツサービスを提供する企業に該当することが多いです。
もともと技術力・デザイン力・運営力、3つを兼ね備えた企業は少ないですが、いづれか一つに優れていてその他の部分はアウトソーシング化等することも可能だと思います。
いづれにしても技術力・デザイン力・運営力がある一定以上のレベルにあるかが重要です。
例えばコーポーレートサイトのデザインをしてきた制作会社がキャンペーンサイトのデザインができるかどうか、システムインフラ中心のエンジニアがWEBフロント・コンテンツ中心のプログラムができるかなど意外と経営者が過去の制作経験や会社の規模を鵜呑みにしてしまい見落としている場合が多いです。
8.WEBサイトの運営の指揮者(統率者)がいない
WEB制作・WEB運営に携わるビジネスにおいてWEBシステムエンジニア・WEBデザイナー等完全分業制で成り立っています。
例えばWEB制作会社・ITシステム担当・SEO業者・ネットの広告配信代行業者等全て別々に依頼をしていた場合、直帰率・離脱率を下げ成約率を上げたい場合、WEB制作会社→WEBサイトコーディングデザインに関しては保証・ITシステム担当→サーバパフォーマンスに関しては保証・SEO業者→検索経由の集客に関して保証・ネットの広告配信代行業者→広告管理パフォーマンスに関しては保証とそれぞれのパートは保証できますが、トータルでとなるとどの会社も作業&保証できません。
演奏でいうと各パートはしっかり演奏しますが、指揮者がいないので綺麗なシンフォニーは奏でることはないでしょう。
こうしたパターンに陥るのはWEB専業の会社でないのとサイト運営によくある事例になります。
また不思議とサイトの目標設定や各パートの目標設定がない場合も多いです。
トータルでサイト運営を任せされる企業に依頼をするかまたはウェブマスターを採用したほうが無駄な費用や工数を使わず成功する確率が高いでしょう。
9.WEB集客のROI投資利益率が見えていない
このパターンはネット広告を配信している場合に該当することが多いです。特にサイトを開設して数ヶ月後に相談されることが多いです。
なぜ数ヶ月後かというとネット広告を配信をしてみたはいいけれど、訪問者数も増えて、問い合わせや購入・資料請求件数は増えたが、それなりに広告費用がかかっているので利益が出ない等、果たしてこのまま継続していくべきなのか・ネット広告の最適広告予算の相談が多いです。
ネット広告は頓服薬みたいなもので、配信するとそれなりに効果がありますが、ネット広告だけに依存するのも危険です。
SEOやSNSや業界のポータルサイトへの掲載等色々集客アプローチをすることが大事です。そしてどの媒体が一番ROI投資利益率がいいか分析することが大事だと思います。
10.生産労働性が考慮されていない
WEBに限らず、IT系の業務は従来の業務に比べて生産性にシビアなような気がします。人間の業務がITによって変わるため人間の業務時間が減るが普通になると思います。
具体的には例えばサイトを公開するまでの制作段階が一番工数がかかるのであり、公開後の運営・運用に工数がかかっている場合そのサイトは上手く回っていないと言えると思います。
サイトに限らず、リスティング広告運用もリスティング広告の準備段階が一番工数的にかかりますが、公開後はほぼ自動運用可能な状態にできるでしょう。現在運営しているサイトの工数を今一度確認をして無駄な部分がないか、自動化できるとこがないか確認するといいでしょう。